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一浪二浪K多浪の行けたら行きます

22歳童貞のフィロソフィー

第18回:映画『怒り』レビュー

はい。でました。レビューと言いながらただただ俺が感想を気持ち良く述べるだけの会。

 

レビューと書いたのは横文字の方がカッコ良さげだからです。

でも横文字ばっか使う人ウザいよね。

いちいちググるこっちの手間も考えーや。

 

今回は前回の『渇き。』と違って上映中の映画になるのでネタバレは控えます。安心してね。

 

まずあらすじ。

ある夫婦が八王子で惨殺され、現場に「怒」という血文字を残した犯人が捕まらず、舞台はその一年後。

犯人は「山神一也」という人物だと判明するも整形をして逃亡を続けている。

その中で東京、千葉、沖縄に素性の分からぬ3人の男が現れ、その男に出会う人々の葛藤を描く群青劇。

 

というものが大まかなあらすじになります。

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相関図を見てお判りの通り、特筆すべきは俳優陣の豪華さ。

 

脇を固める俳優陣ですら隙がないほどに豪華です。

ちなみにこの中で唯一新人の佐久本宝くん。

1200人のオーディションを勝ち抜いてこの役を得たらしいのですが、やはり1/1200というのは伊達じゃないです。演技が新人とは思えない上手さ。彼は沖縄編で登場するのですが、同じく沖縄編に登場する森山未來との掛け合いは本当に素晴らしいです。

 

森山未來に関しては改めて「天才」だと感じさせられました。

素性の知らぬ男という謎めいた雰囲気や物語が進むにつれて見えてくる人物像が纏う空気感、その全てを完璧に演じています。

監督から「この役を演じられるのは森山未來しかいない」と熱烈なオファーを受けた実力を存分に発揮しています。

他の出演作と比べた時の演技の幅。演技の幅が恐ろしく広いです。

モテキ』に出演していた時と比べると「こんなに違う人物をこんなに繊細に演じられるのか」と映画を観ていて感じました。

また、"田中信吾"というバックパッカーの役を演じるにあたり、森山未來は役作りとして、撮影前から無人島に住み込んでいたらしいのですがその時のことを「インフラが何もない所で1人きりで生活するのは恐ろしい」とインタビューで答えていました。

物語終盤の演技は圧巻です。思わず息を飲みました。

 

 

東京編に登場するのは綾野剛妻夫木聡

腐女子大好きBL物語です。

綾野剛が演じる"大西直人"は妻夫木聡演じる"藤田優馬"のルームメイトにあたるのですが、2人が役作りの為にルームシェアしていた、というのは有名な話ですね。

東京編の注目ポイントは綾野剛が醸し出す"妖艶さと儚さ"です。

大西直人も素性の分からぬ男。藤田優馬が仕事をしている日中、何をしているのか分からない謎めいた男、という設定の中で大西直人の人間像を繊細に演じきった綾野剛には一流を感じました。

妻夫木聡の"涙そうそう泣き(鼻抑えて上向く妻夫木聡の得意技)"を封印した泣きの演技にも注目です。

 

千葉編では渡辺謙宮崎あおい演じる槙親子に松山ケンイチ演じる"田代哲也"が関わっていく物語です。

無邪気さの残る少女感を出す為に宮崎あおいは役作りで5kg太ったそうです。みんな役作りがすごいですね。

役柄、宮崎あおいはほぼスッピンで演技しています。スッピンで勝負できるって強いね。

注目どころは渡辺謙の背中で語る演技、宮崎あおいの"槙愛子"という難しい役どころに対する演技、松山ケンイチのミステリアスな雰囲気です。

愛子というあどけなさが残る娘と素性の分からない田代に対してどう向き合っていくか苦悩する"槙洋平"演じる渡辺謙の心境を自己投影してみると面白いかもしれないですね。

終盤の槙親子が泣き崩れるシーンは曲の効果も相まって圧巻です。

 

そう、この映画は曲も良い。音楽担当はなんと坂本龍一

メインテーマをチェロで演奏しているのは最近日本でも話題の2CELLOS

やはり音楽の効果ってすごいですね。場面場面において印象の残り方が違うし、間延びしないようメリハリが出る。

それを超一流の日本人にも親しみのある作曲家が作ったとなればもう言うこと無しです。

 

 

この映画のすごいところは場面が切り替わるところで前の場面と後の場面に繋がりを持たせるところです。

具体的な内容に関わるので、詳しくは言えませんが、これのおかげで場面の切り替わりが自然になり、違和感がないです。

 

 

 

最後にざっくりとした個人の感想を述べると、後から面白さがくる、と言った所です。

は?と思った人の為に分かりやすく言うと、「なんか物足りないな、と感じていた飲み会を後日思い返したらめちゃくちゃ面白かったのではないかと思えてきた」的な。

 

正直、劇場で観ている時は前半部分が物語の軸にどう関わっていくのか、ある程度予測はついてもその軸に近づいている感じがせず、若干間延びした感じがありました。

ただ、後半部分、特に終盤はそれぞれの役者の演技力が光りまくってて、面白かったです。

場面の切り替わりが多いので、悲しい感情やゾッとする感情、ハラハラする感情が次々に襲ってきて、楽しめました。

個人的な欲をいうとピエール瀧の出番がもっと欲しかったです。

『凶悪』で見せたピエール瀧の演技は記憶に刻みつけられたので、あらすじ以外の前情報がない状況で彼の顔が映ったときは「おお」と思いました。

山神一也を追う警察側の描写が少ないので、ピエール瀧の出番が少なくなるのは必然なのですが、もう少し警察が物語に関わっても良かったのではと思います。

原作読んでないので、なんとも言えないんですけどね。下手に関わってもややこしくなるかもしれないし。

 

とにかく、この映画の良さは終盤に凝縮されていると思います。

個人的には森山未來の演技見たさでDVD買いたい位です。

 

 

以上です。

 

 

 

映画の名前でカクテルを作ってくれる「八月の鯨」というバーが渋谷にあるのですが、最近行ってないので、久しぶりに行きたくなりました。映画を観る方ではないのですが、やはり良いものですね。

今話題のものだと聲の形、シンゴジラとか観てみたいですね。

 

 

ではまた